あさかわ演劇鑑賞会

劇団文化座公演
 天国までの100マイル
城所安男はいつ死んでもおかしくない心臓病の母・きぬ江をおんぼろ車に
乗せ房総半島の漁村・鴨浦に向かっているー。
バブル華やかなりし頃何億もの金を動かし、毎日のように銀座へ
繰り出していた安男も、バブルが崩壊するや会社も金も失い、
妻子とも別れてしまう。
何もかも失いくすぶった生活を送る安男。別れた妻に月々30万円の仕送り
を続ける彼を支えているのはマリというキャバレー勤めの女だ。
そんな折、4人の子供を女で一つで育て上げた母親が重度の
心臓病で入院する。
実の兄弟も東京の高名な医師も見放してしまった母の命を救うには、もはや
奇跡に頼るしかなかった。
天才的な心臓外科医がいるという、鴨浦の病院をめざし、奇跡を信じて
百マイルの道のりを ひたすら駆ける安男。
その道のりの中で、安男は無償の愛情、そして人の善意というものが確かに
存在し、それに支えられて生きてきたのだと気づいていく。
それは母の命を救うための、そして安男の自己再生への
道のりでもあったー。

なかなか内容も出演者も良く見ごたえのある演劇でした。